プロローグ
そこは剣と冒険の世界。
王たちが統治し、人々はたくましく暮らし、王に仕える騎士や放浪の冒険者たちが活躍し、その活躍を吟遊詩人たちが歌う。
ただ、ほんの少しの魔法と、ほんの少しのモンスター、ほんの少しの神々の介入が、その世界をほんの少しだけ冒険者たちにとって魅力あるものにしている、そんな世界。
君は、そんな世界で冒険に強い憧れを抱く一人の青年。
君の父は、吟遊詩人の詩に残るほどの高名な騎士であったが、今はもう亡い。
母も物心着く前に失っていた君は、現在は、父の友人であったブーン女伯爵によって育てられている。
女伯爵は、辺境伯と呼ばれるほど、田舎の地に領土を持っている。
その辺境の地で、女伯爵の一人娘であるおてんば娘セリナと共に育ってきた君は、しかし冒険への憧れ、父への憧憬を、常に胸に抱いてきた。
そしてその日、館に招いた吟遊詩人が、君たちの前でナウドの詩を歌っている。詩に残る騎士ナウド、その人こそ君の父上。
聞きなれたナウドの武勲の詩。だが、今まで聞いたことのなかったところまで、その吟遊詩人の詩は続いていった……。
この物語は、そこから始まる。
この物語、すなわち、君の物語が。
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